門扉のカギは雨ざらし日ざらしですぐに故障する
我が家の次男が通っている幼稚園はとても評判がいい。園長先生がとてもいい人なので、園全体の雰囲気もアットホームな感じだ。長男がこの幼稚園だったので、特に何も考えずに次男もここに入れようと決めていたのだけれど、入ってみるとやっぱり次男にも合っていたようで、毎日楽しく通えて、親としても一安心だ。
だけど一つだけ難があるとすれば、それは防犯性についてだ。公立だからお金をあまりかけられないという事情があるのかもしれないけれど、それにしてもこの物騒な世の中で、門扉にカギが一つしかないというのはあまりにも無防備すぎる。しかもその門扉のカギは外にあるせいか、雨ざらし日ざらしですぐに故障してしまう。いくら保育料が安いからと言っても、園児たちの命まで安く扱われるのはたまったものではない。そこで私たち保護者は、園長先生や市役所の人を呼んで、直接直談判することにしたのだった。
バザーやベルマーク収集などに今まで以上に力を入れるし、園児たちが保育で使う道具などもなるべく手作りでお金のかからないものでも構わないから、安全性と防犯性の部分だけはケチらないでくれ、そこだけは私立幼稚園と同じレベルでお願いしたいという旨を皆で主張した。園長先生もずっとそれが気がかりだったようで、私達と一緒になって市役所の人にお願いしてくれた。市役所の人は前向きに検討しますと言い残して帰って行った。
それからしばらくした後、門扉には真新しい二つのカギが取り付けられることになった。そして園舎の玄関にはサイレンが取り付けられ、もし園内で何か起きた場合には、外部の人に知らせることができるようにもなった。さすまたも購入され、外部の侵入者から園児らを守るための講習会も先生たちに開かれることになった。正直に言えばまだ心許ない部分もあるけれど、一応私達の熱意が伝わったのだと思う。保護者の意識を上げることの重要性を痛感したのだった。