カギを持ち歩かなくて良い生活を送ってみたい
もしも宝くじが当たったら…なんて想像するのが楽しい。それも数千万円とか何億円とかじゃなく、外国の宝くじみたいに数百億円とか当たったら。
まずはだだっ広い豪邸を建てるだろう。高級車を何台も所有し、海外旅行に行きまくる(もちろんファーストクラスで)。専属シェフを雇って毎日おいしい料理を食べ、家事はすべてメイドにやってもらう。運転手と執事とボディガードと警備員を雇い、周りのことは全部やってもらう。きっと家事でボロボロに荒れた手も、すぐにスベスベになるんだろうな。所作だってきっと今と違って優雅なものになるに違いない。「あたくし、あーたのような…」とかデヴィ夫人のような喋り方に変わっちゃったりして。他にも色々な贅沢があるのかもしれないけれど、庶民である私が想像できるのってこれくらいだ。とにかく贅の限りを尽くした生活を、とりあえずは一通り経験してみたいと思う。
そうなったら持ち物だってきっと変わるんだろう。きっと私はカギとか財布とかを全て執事に持たせ、ペルシャ猫とワイングラス以外のものは何も持たなくなる。本当の金持はきっとケリーバッグなんか持たない。バッグなんか持たなくてもいい生活を送るはずだからだ。そんな風に色々持ち歩かなくても良い生活を是非とも送ってみたいものである。
そんな楽しい想像をしつつ、私は自宅のカギをジャラジャラ鳴らしながら玄関を開けるのだった。